属人化の特徴やリスクとは?

職場で一部の社員が業務の担当を任せられていて、たまたまその担当者が不在のときにクライアントから質問を受けて困ってしまったり、仕事が止まってしまったりした経験はありませんか?

属人化とは?

「属人化」とは、特定の社員が業務を専任で担当することにより、当人以外の社員がその業務の内容や進め方がわからなくなってしまう状態を指します。

業務が属人化していると、担当者以外に情報を共有せず、独自の方法で仕事を進めている状態になるため、担当者が突発的に休んだり何らかの理由で急遽退職した場合に他の社員が対応するのが困難になります。

また、属人化がかなり進んでいると、他の人に業務を引き継いだ後に売上が落ちたり取引先と齟齬が生じたりといった支障が生じる恐れすらあります。

このように属人化はマイナスのイメージですがメリットもあります。担当者本人にとっては素早く対応できる慣れた業務を担当しているので、それなりに作業効率がよく働きやすさを感じられるでしょう。

また、販売職や営業職といったその人自身のキャラクターによって売り上げが左右される業務の場合、属人化がよい結果をもたらすこともあります。成果が上がれば経験や実績を積めるため、販売や営業の成績が良く評価されたり転職する際に有利になると考えられます。

このように個人としてのメリットはあるものの、会社にとっては属人化のメリットはほとんどありません。むしろ「人」という不確定要素の高い存在に頼ることで、リスクを抱え込んでいるといえます。

属人化によって起こり得るリスク

属人化は特定の担当者に大きな比重が置かれている状態のため、問題が起こりやすくなります。

属人化している業務がボトルネック化してスピードが落ちる

業務が属人化している場合、その業務がボトルネックとなり、部署や社内全体の業務が停滞し、結果として業務スピードが低下しやすくなります。
特に、担当者が多忙で業務に着手するのが遅れたり体調不良や家庭の事情で休みが続いたりするとその間は仕事が進みません。最悪の場合、取引先からのクレームにつながり、会社全体の利益に影響を与える恐れもあります。

品質管理ができない

担当者が仕事に従事できないときは、多くの場合、他の社員が対応します。しかし、属人化している仕事は、普段は特定の社員のみに任せられていて業務の進め方すら共有されていないことが多々あります。その業務に慣れていない別の社員が取り組んでも、同じレベルの品質を担保できないというリスクが発生します。
結果としてもう一度作業をやり直すことになるなど、本来よりも時間がかかってしまうことがあります。

業務効率が低下する

業務が属人化していると、ほぼ全てのプロセスを担当者に委ねることになります。専門性の高い担当者が問題なく対応できているうちは、むしろスムーズに進むかもしれません。
しかし、担当者も他の社員もその状況に慣れきってしまい、担当者がいなくなった途端、業務効率が大幅に低下するリスクがあります。特に人数の少ない会社や部署では人員が足りず、その結果、社員の労働時間が増えてしまう場合もあります。

ミスが見逃されやすい

通常、業務の中でミスが発生したときは可能な限り速やかに申告、共有し、解決策を考え実行することで損害が大きくなることを未然に防げます。しかし、属人化が恒常化していると、業務の進捗や現在の状況が見えにくく共有する機会が少なくなっているため、ミスが発覚するまで時間がかかることがあります。
本来はあってはならないことですが、他の社員の目が届かない分、ミスが発生してもある程度は隠せてしまうというデメリットにも注意が必要です。

属人化する原因は何か?

どうして属人化は起き、なかなか脱却できないのでしょうか。属人化が起きてしまう原因は、労働環境や業務内容、社員個人の意図といったものが考えられます。

業務を共有する時間が確保できていないため

担当者が複数の業務にかかわっていたり、締め切りやクライアントの対応に忙殺されていたりして、結果的に業務が属人化しているケースがあります。
マニュアルがあれば他の社員でも十分に対応可能な業務であったとしても、そのマニュアル自体を作る時間がなかったり、業務の進め方について上司に相談する時間が取れなかったりすると、そのまま属人化された状態が続いてしまいます。

専門的な業務であるため

業務内容によっては、特殊な技術を必要としたり担当者の腕がクライアントから高く評価されていたりと「その人でなければできない仕事」が存在します。その場合、やり方やノウハウの周知に手間がかかったり難しかったりするかもしれません。
また、特定の業務の経験年数が長い場合も経験値が高く的確な対応ができるため、結局はその人に業務が割り振られることが多くなります。
本来であれば、該当業務を担当できる専門性の高い社員を増やしたり、他の社員にノウハウを教えたりすることが必要です。しかし、実際には実現できていない職場も多いようです。

社内でバリューを発揮するため

社員が自ら業務を属人化させているケースもあるようです。属人化することで自分の立場を優位にしたり自分の存在価値を持たせて評価が下がらないようにしたりすることが考えられます。
実際は別の社員でも対応できる業務にもかかわらず、「これは自分にしか分からないから」と仕事を抱え込み、共有や引き継ぎをしないことも考えられます。これでは、いつまで経っても属人化を解消できません。

属人的な業務を標準化するメリット

特定の人だけが業務を行うことを「属人化」と呼ぶのに対して、誰でも業務ができる状態にすることを「標準化」と呼びます。業務を標準化させれば、リスクを減らすことが可能です。属人化している業務を標準化することで得られるメリットにはどんなことがあるのでしょうか。

品質を維持できる

業務が属人化している場合、担当者以外が業務を行うと抜け漏れが発生したり不明点の解決に時間がかかったりする恐れがあります。
標準化で仕事を「見える化」できれば、誰でも一定の成果を出せるようになります。担当する社員によって品質に大きな差がなくなるため、担当者以外が行った途端、大幅に時間がかかる、成果物のクオリティが変わる、ミスが増えるといった事態も避けられます。

スキルの向上を図れる

標準化はスキルの向上にもつながります。誰もが担当できるようになれば高品質のアウトプットに触れることができ、業務に役立てられます。属人化していると、質の高い成果物や業務の進め方を他の社員が知る機会がなく、一定のレベルで止まってしまいます。
標準化することで、結果として部署や社内全体のスキルがアップし、よい製品やサービスを生み出すことにもつながるでしょう。

専門の人員がいなくても作業が進められる

標準化は会社全体だけでなく当事者にとってもメリットがあります。たとえば、急な病気で会社を休んだり長期休暇を取得したりするとき、属人化が定着していると、担当者は「早く復帰しなければ」「自分の担当していた仕事はきちんと進んでいるだろうか」と心配になり、安心して休めなくなるかもしれません。
標準化が進んでいれば、担当者がいなくても問題なく業務を進められるため、お互いにストレスがなくなります。経営者側にとっても、限られた数の社員を有効活用できます。

ノウハウを蓄積し、技術やスキル伝承につながる

業務を標準化すると、ひとつの業務に多くの人が関わることになります。複数の目で見ることで、担当者一人では気づけなかった問題点や改善点が発見されやすくなるというメリットがあります。
長期的に見ても、標準化することで業務に関するノウハウが社内に蓄積されます。培ってきた技術やスキルを、新入、中途社員、他部署から移動してきた社員、仕事内容が変わった社員といった人たちに伝承できます。担当者が抜けた途端、急激に技術やスキルが落ちたり再現性がなくなったりという事態を防ぐことができます。

CRM で業務を標準化してリスクを解消しよう

業務を標準化する具体的な方法としては、たとえばマニュアルを整備することが挙げられます。

マニュアルは業務を標準化する方法ではあるけれど・・・

業務の属人化は、一人あたりの業務量が多かったり少人数で仕事を回したりしている職場で起こりやすいのが特徴です。マニュアルの作成は業務を標準化するには効果的ですが、誰が見てもわかりやすいマニュアルを作るのは実はとても大変な作業で、ただでさえ普段の業務が忙しいところに、マニュアル作成にまで時間はかけられないという企業も多いのではないでしょうか。

標準化が必要なのは「属人化することで成果を最大化してきたものの、今後の発展・規模拡大を行うためには現状の方法では限界が見えてきた組織」だと言えます。そうした組織では本来の業務が多忙で、マニュアル作成の時間が取れなかったり、マニュアル作成そのものが目的になってしまって、活用したり確認する手間が余計に発生してしまう可能性すらあります。

したがって、特に中小企業のように少数精鋭の社員が業務で多忙な組織ほど、マニュアルの作成はお勧めできません。

システムの手順に沿うだけで標準化できる

業務の標準化は急務だけど、マニュアル作成に高いハードルを感じる、マニュアルを運用していけるか不安がある…という場合には、パッケージシステムの導入がお勧めです。

パッケージシステムとは、その業務一連の流れがすべて1つのシステムの操作で完結する IT ツールのことで、手順通り利用していくだけで「理想的な業務フロー」が実現できるものです。

システムの手順に沿って業務を進めていくことになるので関わる担当者は全員同じ方法を取れるうえに、直接担当しない人にも情報共有ができるので担当者の不在時にも確認ができ、属人化の解消にはうってつけです。

顧客管理業務の標準化は CRM で実現

顧客管理も ITツールである CRM 活用することで、業務の標準化や情報共有、部門間の連携などが可能になります。特段マニュアルを用意する必要もなく、営業担当者はもちろん、営業活動を支える業務を担当する部署や経営部門に至るまで、全ての関係する社員が同じ手順で同じ情報を活用して業務を行えるようになります。また、リアルタイムで情報の確認ができるため、サービスのスピードアップにもつながり、全体として品質向上と業務効率化が同時に実現できます。

また、Web サイトを運営する上では、訪問ユーザーの分析をすることにより、さらなる業務の効率化と顧客獲得率の向上につながります。一般的に、CRM システムではヒートマップ機能や訪問ユーザーの分析機能はついていないとされますが、Zoho CRM なら、こうした分析機能も連携して利用することができます。

ヒートマップ機能

アクセス解析ツールの1つです。 色を用いて、サイトのどこをユーザーが見ているのか確認できます。

訪問ユーザーの分析

ヒートマップはサイトへの訪問ユーザーがどこをみて離脱しているかを確認できるものですが、訪問ユーザーがどのような意図で、サイトに訪問しているのかはわかりません。 これらはアクセス解析ツールを導入することで、ユーザーの流入経路などが分析できます。
サイトの月・週・日別に、どれだけのユーザーが来ているのか数値化するだけではなく、
どの検索エンジンから検索したのか
どこのサイト・サービスから流入しているのか
がわかります。

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