CRM データを分析して戦略に活かす

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売上アップにつながるダッシュボード機能

企業では売上目標などを設定して達成しなければなりません。そのためには、管理と分析をして、必要に応じて改善策を講じることが重要です。管理と分析をするためには、状況を正しくリアルタイムで把握する必要があります。具体的には、売上状況はもちろん、担当者や顧客獲得経路ごとの商談状況を様々な指標で確認することが大事です。これらの状況をリアルタイムで把握することで必要な改善策をタイミングよく講じることが可能となり、目標を達成できるのです。

しかし、必要な各種レポート全てを手作業で作成することは非常に困難で、それだけ時間もかかります。そこで最近注目されているのが、ダッシュボード機能です。

ダッシュボードとは?

ダッシュボードとは、データを収集して分析するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの1つです。大量に蓄積されたデータを収集して分析し、表やグラフなどの分かりやすい形で可視化します。もともと、自動車や飛行機の運転席にある、速度計やエンジンの回転数、ガソリン残量などを示す計器盤をダッシュボードと呼びますが、そこから様々なデータを一覧表やグラフにしてメーターのように画面表示するツールの意味でも使われるようになりました。

BIツールは、消費者の価値観や購買行動の多様化に対応するため、従来のような経験や勘に頼るのではなく、データを活用した判断や意思決定につなげるデータドリブンのプロセスを用いたものです。多くのBIツールがダッシュボードを採用しており、ビジネスにおける課題の発見や、顧客へ提供する価値を向上する手段として用いられます。最近ではBIツールの普及に伴い、ダッシュボードが注目されています。

データドリブンとは?

経営やマーケティングなど企業運営のために必要な意思決定をデータを元に判断し実行することです。
これまでのような経験と勘に頼った経営判断ではなく、売上データや各種システムに蓄積されるデータ、IoTからのデータ、人工知能や機械学習からのデータを参照することで、現在の経営状況を正確に捉えた上で判断をくだすことができます。

レポートとダッシュボードの違いは?

レポートは、調査やプロジェクトなどの取り組みの結果を報告する文書で、特定の課題について収集されたデータの分析結果が含まれることもあります。レポートによって、将来とるべき行動の選択肢や提案のための情報などが示されるため、経営判断に役立つ知見を引き出すために活用できる機能としてビジネスでは欠かせないものです。

レポートとダッシュボードは同じような機能ですが、決定的な違いは、レポートが一度出力されたら更新されることがない静的なものであるのに対し、ダッシュボードはリアルタイムで更新される動的なものです。レポートは様々な条件を付けて売上データを分析する場合には優れていますが、一度出力されたレポートはデータが変更されてもそれが反映されることはありません。それに対して、ダッシュボードは見たい情報を常に最新の状態で表示します。そうした違いを活かし、レポートとダッシュボードを目的によって使い分けることが有効です。

ダッシュボードの基本機能

多くのダッシュボードには、以下の5つの基本機能が備わっています。

レポート作成

ダッシュボードに表示されているデータをPDFやスプレッドシートなどに出力することでレポートの作成ができます。データを整理・解析したレポートを作成することで、ダッシュボードを直接見ていないメンバーへの説明やプレゼンテーションが容易にできます。ツールによっては、定期的にレポートを自動で作成する機能もあります。
 

ドリルダウン分析

ドリルダウン分析とは、データの集計レベルを1つずつ掘り下げてより詳細に分析していく機能です。例えば「都道府県」⇒「市区町村」という階層構造があるデータを使うことで、ドリルダウンが可能になります。ダッシュボード機能でドリルダウン分析を行うことにより、より高い粒度でKPIなどの指標を把握できます。例えば、月別のデータを週別や日別で把握するなど、全体だけでなく施策や期間別に分析することができます。
 

チャートやグラフの自動作成

ダッシュボードでは、折れ線グラフやチャートなど、必要に応じて様々な形でデータを可視化できます。チャートやグラフで表示することで、必要なデータやKPIの達成度などを直感的に把握できるようになります。
 

コネクタ機能

ダッシュボードのコネクタ機能は、ダッシュボードを他のプラットフォーム(Google Analytics、CRM、MA、Facebookなど)や表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート)などのアプリケーションからデータを取り込むことができます。ダッシュボードから従来、手作業で行っていたデータ入力を簡略化できます。
 

シミュレーション

データから得た情報をもとに今後の予測を自動で算出します。例えば、売上データを基にした予算編成や業績予想、注文データを基にした発注や在庫予想などに役立ちます。さらに、年齢・性別・認知率・購買率など、使用するデータの組み合わせをカスタマイズすることで、シミュレーションの精度を高めることができます。
 

ダッシュボードを活用するメリット

ダッシュボードは、経営やマーケティングなど、データを扱う部門の業務効率化に役立ちます。
 

データを一元化してスピーディな判断が可能に

ダッシュボードは、MAやGoogle Analyticsなど各ツールから集まったデータを一元化し、企業内の情報をわかりやすく可視化します。膨大なデータを集約してまとめることで判断しやすくなり、経営層をはじめ、マーケティングや営業などのあらゆる部門でスピーディな意思決定が可能になります。
 

データ集計やレポート作成にかかる工数を削減

ダッシュボードにExcelなどのツールからデータを簡単に連携させることができ、手作業で行っていたデータ入力や月次レポートの作成などにかかる工数を削減できます。削減できた時間を付加価値が高い業務に充てることで、顧客へ提供する価値の向上につなげることができます。
 

経営指標の悪化や異常を早期発見できる

ビジネスを行う場合、戦略に対する成果について常に計測する必要があります。

もし戦略に問題があった場合、月ごとの集計では経営指標の悪化や異常に気付くのが遅くなるかもしれません。しかし、ダッシュボードを活用すると、常に数値がリアルタイムで表示されるため、経営指標の悪化や異常をすばやく検知できます。
 

ダッシュボードのデメリットは?

ダッシュボードの導入にはメリットが多い一方で、次のようなデメリットも考えられます。
 

導入するには専門の知識・スキルが必要

外部ツールからのデータの取り込み作業やダッシュボードのデザイン作成をするには、プログラミングやコーディングといった専門知識が求められることがあります。また、専門知識やスキルがないと高度な機能を活用できず、最低限の機能をしか使えない恐れもあります。そのため、分析やダッシュボードの操作方法やスキルを習得するか、専門業者への委託なども検討する必要があるかもしれません。
 

導入の手間や時間と教育コストがかかる

ダッシュボードを導入して運用が順調になるまでは、各部署から取得したデータを統合するための作業など、手間と時間がかかります。また、社員に使い方を教えるための教育コストなどが発生します。
 

ダッシュボードの活用例

主な活用例として、以下のものがあります。

  • 営業ダッシュボード:営業成果やプロセスを把握し、進捗の遅れや問題がある案件の把握が可能
  • 財務ダッシュボード:資産・利益・投資などをトータルで管理し、予算管理を行う業務で有効
  • 総務/人事ダッシュボード:出退勤・スキル・面談記録などをトータルで管理し、組織の改善点を発見

このように、ダッシュボードはビジネスの今の状態を可視化することで、とるべき施策を判断しやすくするツールです。作業工数の削減や、経営指標の変化への迅速な対応、顧客満足度を向上させるための手段として活用できます。

Zoho CRMのレポート・ダッシュボード機能

Zoho CRMには状況把握や分析に役立つレポートやダッシュボードの機能が搭載されています。CRMに蓄積された顧客データから必要な情報をリアルタイムに自動で集計できるため、必要な情報をいつでも簡単に得ることができます。

Zoho CRMのレポート機能とは?

Zoho CRMのレポート機能では、見込み客、既存顧客、商談などのCRMに登録されたデータを抽出して、あらかじめ定義した要件に該当するデータを一覧で表示したり、集計やグラフ化が簡単にできます。

あらかじめ用意されているレポート機能もあり、「担当者別の商談件数」や「獲得経路別の売上」などさまざまなレポートがあります。また、ゼロから自分で作成することも可能です。

レポート機能の活用例

  • 売上予測レポート:現在の活動状況を考慮した販売成績の分析が可能
  • 目標達成度レポート:目標を設定し、達成度の追跡が可能
  • パイプライン分析レポート:見込み客獲得から案件化、受注までの各ステージにおけるコンバージョン率を分析
  • 放置案件の報告レポート:案件の進捗状況を確認し、活動が停滞している案件の把握と対策が可能
  • ROI分析レポート:広告宣伝の投資コストに対する売上金額を分析し成果を可視化し、広告投資の改善が可能
売上予測レポートのイメージ(Zoho サイトより)
販売パイプラインレポートのイメージ(Zoho サイトより)

Zoho CRMのダッシュボード機能とは

Zoho CRMのダッシュボード機能は、1つの画面でグラフや複数のレポートを集約して確認でき、売上や活動状況をモニタリングするのに適しています。目標の達成度をリアルタイムに確認することもできます。新規顧客やリピーターそれぞれの売上金額や見込み客の獲得件数、商談件数などを日別、月次、年次などの範囲に応じて表示することも可能です。

ダッシュボード機能の活用例

  • 営業マネージャー向けダッシュボード:目標に対する進捗把握し、問題を早期に察知して対策を講じることが可能
  • 営業担当者向けダッシュボード:販売成績及びチーム全体の進捗情報を把握してするべき活動を考えることが可能
  • マーケティング向けダッシュボード:商談・受注への貢献度を可視化して活動の最適化や広告宣伝予算の配分に活用
営業担当者向けダッシュボードのイメージ(Zoho サイトより)
マーケティング向けダッシュボードのイメージ(Zoho サイトより)

Zoho CRMのレポート・ダッシュボード機能を利用するメリット

Zoho CRMのレポート・ダッシュボード機能を利用すると、以下のようなメリットがあります。

自動でレポート作成

CRMには見込み客や商談、既存顧客の情報とそれに対する活動の履歴が登録されます。日々の活動の中で蓄積されたデータを自動で集計してレポートを作成します。

リアルタイムなデータを表示

CRMに日々登録されるデータがリアルタイムに反映されます。作成のための操作は一度だけで、次からはレポート・ダッシュボードにアクセスするだけですぐに最新のものを表示することができます。

共有もエクスポートも簡単

作成したレポート・ダッシュボードはCRMに登録されてるユーザに共有できます。また、Excel、CSV、PDF 形式でエクスポートすることができるので、CRMのユーザ以外の人に共有することも可能です。

詳細確認も簡単

レポート・ダッシュボードに表示されている結果についてより詳細に確認したい場合には、チェックしたいデータをクリックするだけでそのまま該当データが表示されるため、簡単に確認できます。

KPI を設定し、目標達成度を常にチェック

ダッシュボードではKPIを設定し、その達成状況をモニタリングできます。ダッシュボードには複数のレポートを表示できるため、複数のKPIの達成状況を1つの画面で確認することが可能です。

豊富なグラフ形式

レポート・ダッシュボードでは表形式だけでなく棒グラフ、円グラフ、パイチャート、ピポットテーブルなどさまざまな形式のグラフでデータを可視化します。

Zoho CRMの分析機能でリアルタイムに可視化されるデータを存分に活かす!

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