購買プロセスに対応した施策 ④「クロージング」の特徴を知ろう

目次

BtoBマーケティングで考慮するべき購買プロセスとは?

BtoBでは、自社の商品やサービスを使うことで課題が解決されることや、コストが削減されるなどのメリットを客観的に示して決裁権を持つ人を納得させる必要があります。そこで、顧客の購買プロセスを考慮して、各段階に応じた施策を行うことが重要になります。

顧客の購買プロセスは大きく4つに分けることができます。それぞれに対して行う施策は、以下の通りです。

① 集客 → ② リード獲得 → ③ リード育成 → ④ クロージング

各購買プロセスでは顧客の行動や購買意欲の度合が異なります。自社の商品やサービスの良さをどの段階でどのように顧客に伝えれば商談に結び付けられるかを検討して、顧客アプローチを行っていきます。

4つ目の施策「クロージング」の特徴とは?

マーケティングにおける4つの購買プロセスに対する施策の3つ目「リード育成」でリードの興味・関心の度合いをアップさせてホットな状態になったら、いよいよ4つ目の施策「クロージング」です。ホットになったリードに対してニーズを満たす、もしくは問題を解決するための提案を個別に直接行うことで、成約に向けた商談を進めます。

クロージングは、ここまでに培ってきたリードとの関係やリード特有の情報を使って営業担当者が直接提案をすることで成約に結びつける、リードへの最終的なアプローチになります。

BtoBマーケティングではクロージングが成約のカギを握る

BtoBマーケティングは、対企業向けで取引を行う際の戦略や仕組みなどを含めたマーケティングのことです。BtoBは、BtoCに比べて商品やサービスの単価が高額になることが多く、成約に至るまでに承認などが必要となり複数人が関わることなどの違いがあります。

多くの企業では、たとえ担当者が商品やサービスに興味を持っても、契約に至るまでに複数人の承諾を得なければならないなど購買プロセスが長く、どうしても時間がかかってしまいます。そこで、決裁権のある人物を説得するために、まずは担当者自身に、自社の商品やサービスを使うことにより課題の解決やコスト削減などのメリットがあることを納得してもらう必要があります。

クロージングでは、リード育成で実施するメルマガ配信やホワイトペーパーの提供のような画一的なアプローチではなく、その企業で抱える特有の事情を把握し、それを踏まえた上でその企業独自のニーズを満足させたり、抱える課題を解決する具体的な方法を提案する必要があります。この提案でいかに担当者に自社の商品やサービスを使いたいと思ってもらえるかが、成約に至るかどうかの分かれ道になります。

クロージングを行う上で重要なポイントは?

クロージングを行うには、マーケティング部門から営業部門に引き継ぐリードについての認識に相違がないかを事前に確認しておくことが重要です。これからアプローチするリードがどのくらいホットな状態なのか、どのような情報が必要なのか、などについて共有して明確にしておかなければ、成約に至らないどころか、リード離れにつながってしまいかねません。

認識のズレをなくしておくことで部門間で連携して業務を効率的に行い、スムーズにコンバージョンへ促すことができます。

クロージングの具体的な施策は?

クロージングの具体的な施策としては、フィールドセールスが挙げられます。

BtoB事業では、フィールドセールスとインサイドセールスを並行して実施することが多いのですが、2020年以降のコロナ禍で非対面の営業活動が増えたことで、インサイドセールスが営業活動に置いて大きなウェイトを占めるようになっています。

では、インサイドセールスとフィールドセールスとの役割の違いは何でしょうか?

インサイドセールスの役割は?

インサイドセールスは電話やメール、WEB会議ツールなどを活用して相手と対面せずに営業活動を行うもので、その役割は商品やサービス、企業によって異なります。見込み顧客へのアプローチからクロージングまでの全ての工程を受け持つ場合もありますが、 マーケティング部門とフィールドセールスの間の業務をインサイドセールスが受け持つのが一般的です。

フィールドセールスの役割は?

それに対して、フィールドセールスは顧客のもとに直接足を運び、ヒアリングや提案を行う従来型の営業スタイルです。

もともと、フィールドセールスは顧客を訪問して対面で営業活動をする意味合いが強く、その役割としては、いわゆる「飛び込み営業」で新規顧客を開拓したり、「訪問営業」でクロージング以降の営業アプローチを担当するものでした。

しかし、世界的なコロナ禍で訪問自粛をせざるを得ない状況の中で、新規の営業先を開拓する業務はマーケティングとインサイドセールスが主体で担い、獲得した顧客が有望なリードになった段階でフィールドセールスに引き継いで、商品やサービスの具体的な提案をする商談から成約までを担うという流れが多くなっています。

しかし、企業によっては、商談化するまでをインサイドセールスが担当するケースや、反対にフィールドセールスが全てを担うこともあります。例えば、営業部門にフィールドセールスの人員が多く、商談化する案件が少ない状況であれば、フィールドセールスが新規開拓から担当する場合もあります。また扱う商品やサービスがSaaSをはじめとしたサブスクリプション型のサービスの場合、導入前に顧客の懸念を払拭するよりも導入後のフォローが重要になるため、新規顧客への営業活動はインサイドセールスが担当し、導入後のフォローとともに行うアップセルやクロスセルなどの営業活動をフィールドセールスが担うという運用方法も考えられます。

フィールドセールスのメリットが大きな企業とは?

フィールドセールスに向いている企業は以下の通りです。

  • 高額商品を扱っている
  • 対面でのデモ紹介が必要な商品・サービスを扱っている
  • 商談フェーズのリードが多い
  • 売り切りの商品を扱っている
  • アカウント営業

これらは、契約に向けた提案や商談内容が重要となるもので、フィールドセールスが得意とするところです。デモが必要な商材の場合、その場で使い方を見せて紹介する方が顧客にとっても理解しやすくなります。これは訪問することで成約の確度をあげられるケースです。

また、法人向けにソリューション提案をするのがアカウント営業ですが、提案先の業務について下調べをして課題を洗い出した上で解決するための手段を提案をするため、顧客それぞれにかける時間が多くなり、質の高い提案が求められるのが特徴です。

これ以外でも、リードによっては訪問の方が印象が良く、その場での意思決定を促せる場合もあります。そのような場合はフィールドセールスを実施した方が効率的・効果的です。

フィールドセールスのデメリットとは?

フィールドセールスの課題は、主に以下の2つです。

コストが高くなる

フィールドセールスの場合、移動のためのコストや時間がかかります。リードの確度に関わらずフィールドセールスのみで対応してしまうと、移動に時間を取られるなどしてホットリードへの対応が遅れてしまい、商談の機会が失われる可能性もあります。

認識のズレが起きやすい

訪問営業の場合、現場のことは営業担当者にしかわからず、商談内容が不透明になりやすいという難点があります。そのため、特にフィールドセールスとインサイドセールスを分担して業務を行う場合には、情報共有はもちろん、リードへの対応プロセスとルールや判断基準を明確にしていないと、それぞれが担当する工程が分かりにくく担当間の認識のズレが起きやすくなります。

フィールドセールスの成果を最大化するポイント

インサイドセールスと連携する

フィールドセールスとインサイドセールスを連携することで、成果を最大化することができます。例えば、リード数は多いのに商談に繋がっていない場合は、インサイドセールスにナーチャリングまでを任せることで、全体的なホットリードの創出に注力できます。

また、コンサルタント系のサービスや広告の出稿など、契約後にも提案の質が求められる場合は、商談化してからフィールドセールスが担当する形の方がが望ましいこともあります。

ただし、連携するときには、インサイドセールス、フィールドセールスそれぞれの担当範囲を明確にすることが重要です。

顧客対応フローを明確化する

顧客対応のフローを作成し、各フローでの役割分担を明確にしておきます。1つのリードに対してマーケティング担当者やインサイドセールスなど複数人で関わると、どのような状況で誰がどう対応するべきなのか迷う場面が出てくるからです。

例えば、インサイドセールスから引き継いでフィールドセールスが提案して商談をしたものの契約まで至らなかった場合は、その時点での温度感が低かったと考えられます。しかし、そのリードがまた検討段階に入る可能性があるため、インサイドセールスで再び商談に持ち込むまでナーチャリングするなど、各フローにおける役割を明確にしておけば、判断に迷うことなくスムーズに引き継ぎができます。

このように、リード化する前から商談化した後まで、全てのフェーズでどの担当者がどのようなサポートを行うのか、部門全体での共通認識を持っておくことが大切なのです。

それぞれの強みを理解して業務を割り振る

フィールドセールスとインサイドセールス、それぞれの強みを理解した上で業務の割り振りを行います。

インサイドセールスの強み
  • 非対面で完結できるため効率的、かつ、コスト削減につながる
  • ツール活用により数値を根拠にしたリードの創出・ナーチャリングが可能になる
  • オンラインで録画などをすることにより、営業現場のブラックボックス化を防げる
  • 特にナーチャリングのフローが多いBtoBでは効率的・効果的にアプローチできる
フィールドセールスの強み
  • 商談化や契約する前の懸念を払拭できる
  • 顧客や商品・サービスによっては訪問した方が有利になる
  • クロージングに特化することで提案スキルなどが磨かれ商談の質を上げられる

これらをもとに、自社の営業部門とマーケティング部門でどのように連携していくか検討します。

部門間での連携には情報共有が重要

営業部門、マーケティング部門、その他の部門も含めて、部門間で連携するには情報共有が重要になります。それには、SFA、CRMをはじめとしたツールの活用により比較的簡単に、セキュリティも確保しながら情報共有する環境を用意できます。顧客情報は一元管理をし、入力漏れなどのミスによる情報の欠落を避けることで業務遂行の円滑化や顧客満足度向上に繋げやすくなります。

連携できるツールの活用が成功のカギ

フィールドセールスは、自社の商品・サービスや顧客の属性に合わせてさまざまなアプローチを行う柔軟性が求められます。それを実現するには複雑な情報収集や分析など、どうしても人手だけでは難しい面があります。そこで、CRMツールを活用することで柔軟な顧客対応ができるようになります。

CRM以外のツールとしては、例えば、営業支援のSFAツールや、リード獲得のためのメルマガ配信、WEBコンテンツ発信をはじめとしたマーケティング・オートメーション(MA)ツール、問い合わせ管理ツールなどの様々なツールがあり、これらを活用すればフィールドセールスで必要となるお客様情報をしっかりキャッチできます。

ツールを活用する際には、CRMツールと連携できるものを使うのが効率的です。また、最近のCRMにはSFAやMAツールをあらかじめ備えているものもあります。これらのツールを上手く活用しましょう。


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