購買プロセスに対応した施策 ③「リード育成」の特徴を知ろう

BtoBマーケティングで考慮するべき購買プロセスとは?

BtoBでは、自社の商品やサービスを使うことで課題が解決されることや、コストが削減されるなどのメリットを客観的に示して決裁権を持つ人を納得させる必要があります。そこで、顧客の購買プロセスを考慮して、各段階に応じた施策を行うことが重要になります。

顧客の購買プロセスは大きく4つに分けることができます。そして、それぞれに対して行う施策は、以下の通りです。

① 集客 → ② リード獲得 → ③ リード育成 → ④ クロージング

各購買プロセスでは顧客の行動や購買意欲の度合が異なります。自社の商品やサービスの良さをどの段階でどのように顧客に伝えれば商談に結び付けられるかを検討して、顧客アプローチを行っていきます。

3つ目の施策「リード育成」の特徴とは?

マーケティングにおける4つの購買プロセスに対する施策の2つ目「リード獲得」で見いだした今後商談に結び付く可能性があるリードに対して、商品やサービスの興味・関心度を上げ、ファン化を促すのが3つ目の施策「リード育成」で、「リードナーチャリング」とも呼ばれます。

BtoBマーケティングでリード育成が重要なワケ

BtoBビジネスの場合、購入意思決定までの検討期間が長期化しています。それはなぜでしょう?

最近インターネットの普及や通信環境整備により、これまでよりもリードが自ら情報収集できるようになったことや、非常に多くの情報があふれ、市況が目まぐるしく変化する中で、社内での承認プロセスが厳格化するなど、意思決定までの検討期間は長くなる傾向にあります。

さらに、ホワイトペーパーのダウンロードや製品比較サイトなど、リードを獲得するための手段が増えたことで、リードの獲得数が増加しています。それに伴い、確度が低いリード数も増加します。しかも、獲得したリードの検討段階はさまざまです。

また長年リードを獲得し続けていれば、過去に接点があったものの、現在は連絡をとらない状態になっている見込み客、いわゆる休眠顧客がかなり蓄積されているはずです。しかし営業の手がいっぱいであったり、休眠顧客の順位付けが難しいことから、再度アプローチをすることができないケースも多くあります。これでは休眠顧客は増え続けるばかりです。

そこで、増加するリードや蓄積した休眠顧客に効率よくアプローチするには、リードの興味の掘り起こしや、リードの検討段階に合わせた対応に加えて、長期化する検討期間の中で購買意欲が高まるタイミングをとらえるなど、それぞれの状況に合わせて情報提供することが重要になります。そのためにはリード育成の手法が効果を発揮するのです。

リード育成のメリットは?

長期間フォローする仕組みを構築できる

購入までのプロセスが長期化しているということは、リードを長期にわたりフォローし続ける必要があります。リード育成の仕組みを構築できれば、営業の負担を軽減することができる上、営業の記憶や手腕などに頼らず、効率的にリードをフォローすることができます。これにより、業務の効率化と確実な営業実績につながります。

低コストで資産を活かせる

新たにリードを獲得する場合、広告配信や展示会などを実施するにはコストがかかります。その点、休眠顧客は企業にとって資産と言えます。リード育成は、休眠顧客へのアプローチも可能で、新たなコストをかけて不確実なリード獲得を狙うよりも効率的です。

適切なタイミングでアプローチできる

リード育成のツールを使うことでリードの行動や興味を可視化することができます。ニーズが顕在化した時を逃さず、適切なタイミングでアプローチできます。リードにとっては、適切なタイミングで必要な情報が送られてくるので、知りたかった情報が得られて好印象を持つでしょう。企業からすると、リードの態度が前向きになり営業担当者の業務効率やモチベーションの向上に繋がります。このように適切なタイミングでのアプローチは、双方にとって大きなメリットがあります。

リード育成を実施するための手順

①リード情報を理解する

まずは獲得して蓄積されたリード情報を選別することが大切です。名刺をデジタル化してデータにまとめたり、WEBサイト上から登録されたメールアドレスを整理したりします。リード情報を適切にまとめ直すことで、最適なアプローチを検討するための土台を作ります。

②カスタマージャーニーの把握

カスタマージャーニーマップは、ペルソナ(商品やサービスを利用するターゲットとなる顧客モデルのこと)がどのように商品やサービスを知り、どのように購入に至るかをまとめたものです。カスタマージャーニーマップを作成すると、見込み客の行動をより具体的にイメージできるようになります。購買プロセスを把握することで有効な施策を生み出しやすくなるのです。

③アプローチするリードの優先順位をつける

リードに対するアプローチは優先順位に応じて行うと効果的です。優先順位を決定するには、リードの行動に対して点数をつけるスコアリングなどを用いる方法が判定しやすく効果的です。例えば、WEBサイトを閲覧したら10点、メルマガを開封したら20点、資料をダウンロードしたら30点というように、自社の商品やサービスにより興味があると判断できる行動ほど高い点数をつけます。

④リードの分類毎にアプローチ方法を決める

スコアリングの結果やリードの属性に合わせて、それぞれに最適なアプローチ方法を検討します。各リードがどのような情報を欲しいと思っているかによってアプローチ方法を決めます。アプローチ方法の例としては、セミナーやイベント開催、SNSによる投稿やDM、メルマガ配信、コンテンツマーケティングなどがあります。

⑤営業担当によるアプローチを実施する

リードを育成することにより関心や購買意欲が高まってきたら、営業担当へ対応を引き継ぎます。その際、リードの情報を正確に伝えることが重要です。リードの企業情報や持っているニーズをしっかり共有します。情報が欠けていると、せっかく育成で築いた信頼を損ねてしまう可能性があります。

リード育成において効果的なアプローチ方法

メールマガジンの配信

メールマガジンを発行すれば、リードへ定期的にアプローチできます。リードの行動や興味の度合に応じた内容を配信することで、より商品やサービスに対する関心を引き上げることができます。そして継続的に配信を行っていくことで、企業に対するリードの信頼感を増し、ファン化に繋がります。メールを開封してもらうためには内容はもちろんですが、リードが思わず反応するようなキーワードを入れるなどタイトルの工夫が効果的です。

セミナー/ウェビナーの開催

セミナーへ参加を希望する人は、自社の商品やサービスに対して少しでも興味をもっていると考えられます。セミナーを通して商品やサービスの魅力が伝われば、さらに興味を引き出し購買意欲を高められます。またコロナ禍で急速に広まったオンライン上で開催するウェビナーも有効な手法です。特に、ウェビナーは場所を問わず遠方からも参加者を募れるため、セミナーに比べて低コストで効率よくナーチャリングができます。

コンテンツマーケティング

価値のあるコンテンツを発信し続けることで自社に対する認知度やイメージを高める手法です。この手法の強みは、作成したコンテンツは自社の財産になり、一度仕組みとして構築できればその後も繰り返し集客することが可能になり、結果的に広告費にかけるコストを抑えることができます。

SNSの運用

FacebookやTwitterなどのSNSを活用すれば、リードに対して気軽なアプローチができます。SNSを通して簡単なコミュニケーションをとったり、WEBサイトへ誘導することもでき、リードの育成にも有効です。

ホワイトペーパーの活用

自社の商品やサービスについて詳しく説明した資料としてホワイトペーパーがあります。リードに理解を深めてもらうことで、企業との関係強化が図られ、受注の可能性の高い有望なリードへ育成することができます。

営業資料(サービス資料)とホワイトペーパーの違いは、営業資料が導入メリットを説くというソリューションを提供する側の視点に立って作成された資料なのに対し、ホワイトペーパーは、潜在顧客も含めた見込み客に課題解決のために参考となる情報を提供するという、顧客側の視点に立って作成された資料です。

リード育成を成功させるためには?

PDCAサイクルを継続的に回していく

リードの反応を見ながらPDCAサイクルを回していくのがポイントです。最初に設定したアプローチ方法が最適だとは限らないため、状況に応じて改善を加えていく必要があるからです。チャネル別の成約率などをチェックし、どの程度の成果が出ているか数値で確認することが大切です。

適切なリードに適切なタイミングで適切なアプローチをする

どんなに有益なコンテンツを用意しても、それを相手が求めていなければ期待通りの反応は得られません。確度の高いリードに育てるには、各リードの状況に合わせてタイミングよく働きかける必要があります。

インサイドセールスで獲得した見込み客も育成する

インサイドセールスで受注に至らなかった見込み客に対しても、 そこで得られた情報をもとにして見込み客を分類し、例えばセミナーへ案内して1カ月後に再び架電、状況によってはメルマガリストに戻すなど、それぞれに適切な対応を行うことで、リードとして育成することができます。

マーケティング部門と営業部門との連携を強化する

購買意欲が高まった段階で営業担当へ引き継ぐことができれば、営業効率や成約率を上げられます。また、PDCAサイクルを回す中で把握したことは、部署をまたいで共有することが効果的です。特に営業の結果からわかるリードの質などについて、営業部門からマーケティング部門にフィードバックすることも大切です。

リード育成の仕組みを導入して成約に繋げよう

リードの成約率を高めるには、リードの状況を把握して理解し、それぞれに適したアプローチを行うことが重要で、そのために効果的なのがBtoBマーケティングにおけるリード育成の仕組みです。


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