歴史を振り返ると、顧客管理をするという考え方は大昔からあり、江戸時代の大福帳もそのひとつです。「顧客あっての商い」という姿勢で、取引明細を残し、お得意様として丁寧に扱ってきました。

その顧客管理の方法は時代とともに変遷してきました。特に昨今の コンピューター関連の技術進歩は著しく、その流れに乗って、ビジネスにおけるシステムや WEB 上で使えるアプリ開発なども進んできました。CRM も例外ではありません。

今や営業において普通に聞かれるようになった CRM ですが、どのようにして誕生してどのような変遷をたどってきたのでしょうか。その歴史を知ることで、CRM の必要性と、活用のヒントも与えてくれます。

CRM の歴史

前身となる仕組みが興亡する時代(1960年代 ~ 1980年代)

1960年代、CRM の基礎になったとも言える、MIS(Management Information System:経営情報システム)が提唱されます。

それまでのコンピュータシステムは、手作業で行なっていた計算やデータ処理などを単純に機械化し、作業を効率化するだけの目的で利用されていました。それに対し、処理の過程で入力・記録されたデータを抽出・集計することにより、経営管理や経営判断に役立てることを目指したのが MIS です。

このように現場の作業のためではなく、経営判断のためのシステムというコンセプトは、当時としては斬新で注目を集めました。しかし、現代のような系統だったデータベースシステムや集計・分析システムなどがまだない時代でした。記録できるデータ容量も極わずかで大量のデータを記録するには高いコストがかかることや、当時のコンピュータにはディスプレイ装置も図表の描画機能もなく、紙面に出力された記号や数値が並んだ結果を読み解かなければならないなど、使い勝手や機能の面で課題が非常に多かったことから、成功しませんでした。

その後も模索は続き、1970年代に入ると、DSS(Decision Support System)と呼ばれる意思決定支援システムが提唱されます。DSS とは、経営者や管理者が情報システムに蓄積された情報を活用して意思決定に役立てようとするものです。これは MIS の概念を発展させた考え方ですが、意思決定者などの情報を最終的に利用する人が直接コンピュータを操作して必要なデータを取得したり分析などを行う点が MIS と異なります。

このシステムは、コンピュータによるデータのリアルタイムな処理や、対話的な操作ができるようになったことから可能になりましたが、当時の技術水準では専門の技術者ではない経営者などが直に操作して利用するにはとても複雑で難しく、機能や性能面も十分ではなかったため、広く普及するには至りませんでした。

システムに蓄積した情報を意思決定に役立てようとする取り組みは続き、1980年代には EUC(End User Computing:エンドユーザコンピューティング)や SIS(Strategic Information System:戦略情報システム)、OLAP(Online Analytical Processing:オンライン分析処理)などの概念が生まれました。

当初から顧客情報データの記録や分析を経営や営業の意思決定に役立てようとする動きがあった

マーケティング手法としての CRM が登場(1990年代)

1990年代に入ると、人々の暮らしがより豊かになり、消費者のニーズが多様化したことで、全ての消費者に対して同じマーケティング手法でアプローチしても、以前ほど効果が出せなくなっていました。そうした背景があって、顧客情報を管理して各顧客に応じたアプローチの重要性が高まっていました。

1984年に創業した DELL 社は、この顧客管理の手法をいち早く取り入れて成功した企業として知られています。顧客自らが欲しいと思うパソコンのスペックを選択し、その通りのスペックのパソコンを作って届ける、という BTO(Build To Order)方式による販売方法が 同社のビジネスモデルでした。それまで、決められたスペックで大量生産されたパソコンを購入することが普通でしたが、自分に必要なスペックを選択して自分に合ったパソコンを入手することができ、コストを抑えることもできる、というメリットが評価され、このビジネスモデルは多くの消費者や企業に受け入れられました。

このように、顧客の視点に立って考え、顧客が欲しいと思っているものを提供することで、DELL 社は創業からわずか15年でパソコンの世界市場第2位の企業にまで成長したのです。

この顧客情報を活用する考え方に大きな影響を与え、CRM の概念を確立したのが、アンダーセン・コンサルティング(現在のアクセンチュア)により1998年に出された書籍『CRM − 顧客はそこにいる』でした。コールセンターやインターネットなどの新しいチャネルをベースに、IT を活用して顧客との関係を築き上げていく考え方を提唱したものです。

従来の不特定多数の人を対象とするマス・マーケティングに代わり、One to One の顧客対応が重要性を増していた中で、この CRM の概念は広く受け入れられていきます。

One to One マーケティング とは

全ての人を対象として画一的にマーケティング活動を行うのではなく、顧客一人ひとりの購買行動や行動履歴といった情報からニーズを探り、個別に展開されるマーケティング活動のことを指します。

インターネットの普及により、情報量が急激に増加した現在の社会において、消費者のニーズは多様化しています。マスマーケティングのような均一なアプローチだけでは販促効果を得ることが難しくなっています。そこで重要になってくるのが、顧客一人ひとりに合わせてアプローチを展開する One to One マーケティングです。

One to One マーケティングでは、企業が各種データから「個客」(=一人ひとりの顧客)情報を読み取り、それぞれに最適なチャネルを使って、最適な情報を提供するコミュニケーションを行います。こうした活動により、顧客と良好な関係性を構築していくことでロイヤルティを高め、顧客生涯価値(LTV)を向上させることを最大の目的としています。

One to One マーケティングの必要性から CRM が注目された!

日本でも CRM ブームに(2000年代前半)

こうして CRM の概念が広がってくると、コンピュータ上で CRM ができるシステムが作られるようになっていきます。多彩な CRM パッケージが開発され、大企業を中心に多くの企業が CRM を導入するようになりました。

そして、日本にも紹介されて CRM ブームが到来します。その背景として二つの事情がありました。

一つには、情報武装化が時代の潮流となっていたことが背景にあります。既存の汎用コンピュータやオフコンで構築していた会計システムや販売管理システムから、お客様に関するデータだけをダウンロードして、営業活動に活用しようとしました。お客様の購買履歴や嗜好を分析して、キャンペーンを展開したり、提案する商品を決定したりしていました。また、システムのダウンサイジングやオープン化などの考え方も進み、そうした技術を統合した情報の活用が可能になっていました。

情報武装化とは

旧来の販売活動においては、「勘」「経験」「度胸」といった個人の資質、実績という不確定な要素に偏った顧客の説得がなされてきました。しかし今や、それだけでは顧客を納得させることはできません。そこで、客観的なデータを活用して顧客を科学的に説得しなければなりません。したがって、モノを売るためには「情報」で武装することが必要になってきます。
モノを売るためのセールス情報は普段から地道に継続して集める努力が必要です。また入手したデータは最初から目的にあったデータばかりとは限りません。使用目的に合わせて再加工することが必要になります。また、データは系統だてて時系列でつながるように整理することが重要です。
このように、いつでも必要なデータを使用できるようにしておくことが、企業の情報武装化には不可欠です。

もう一つはバブル経済の崩壊です。それまで拡大してきた国内市場が一気に冷え込み、日本は先の見えないトンネルに入ったような状態でした。その中で生き残るためには、既存の顧客を大切にすることが重要になり、顧客情報を活用することが求められました。限られた顧客を獲得し合うには、競争力の強化が不可欠でした。そこで、CRM が注目されることになったのです。

日本企業が試練を乗り越えるためには顧客獲得の競争力が不可欠になり CRM がますます重要に!

個別のシステムから SFA との統合システムへ(2000年代後半)

2000年代後半から IT 技術の進歩によって起きた変化が、CRM の統合システム化です。CRM と同じような発展をしてきたものに、SFA があります。「Sales Force Automation」の略で、営業支援システムと訳されています。販売活動を IT で支援するシステムです。

これまでは CRM も SFA も個別のシステムとして機能してきましたが、この時期以降、CRM と SFA が連携して営業から顧客管理までを一元管理する、SFA を備えた CRM ツールが登場します。

CRM で SFA 機能も活用できて営業活動を効率化!

CRM とは? SFA との違いは?

CRM は顧客の情報を一元的に集約管理するツールであり、SFA はそのデータを元に実際の営業活動をアシストする役割を果たします。

CRM の SFA 機能でスマートな営業組織に

Zoho CRM の SFA(営業支援システム)機能は、CRM に蓄積されたデータを活用して、営業活動を支援します。

最先端技術を取り込んだ CRM へ(2010年代後半)

これまでも、CRM システムは顧客データを集め、そのデータを分析することで購買行動の傾向を掴んできました。しかし、2010年代後半に入ると、AI を活用して購買行動やその他のデータから顧客視点を獲得し、その視点を用いて顧客の行動を予測することも可能になってきました。これにより顧客一人ひとりに適したサービス、プロモーションをより展開しやすくなりました。

また、モバイル端末での利用もできる CRM システムも登場しており、いつでも、どこでも顧客とのつながりを持てる環境が実現できるようになりました。

CRM にAI を搭載して営業力アップ、モバイル対応で機動力アップ!

CRM に AI を搭載して営業力をアップ

AI は、CRM に登録されたデータからパターンを読み取り、今後の商談化数や売上などの予測を立てます。

モバイル CRM とは

移動の多い営業担当者にとって、CRM / SFA はパソコン端末からのアクセスだけでなく、モバイル端末からのアクセスを想定したシステムであることが必須要件となります。

CRM は進化し続ける!

見てきたように、CRM は時代の変化に合わせて、ここ30年で大きく進化してきました。現代はモノにあふれ、品質だけでは差別化するのが難しくなってきたため、顧客との関係性の維持が非常に重要になっています。

進化した CRM システムを利用することで顧客との関係性を最大限に高め、自社の売上につなげることが重要になってきます。CRM を導入して、ライバルに差をつけませんか?

進化した CRM を活用して顧客との関係性を高めよう!

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